coyoteNo.9

 「明日新井さんと会うことになっているんです。次号に書かせてくれるかもしれません」
展覧会会場で会った彼は、別れ際私の質問にそう答えた。

 ヨガから戻ってくると、定期購読しているcoyoteの新刊がポストに入っていた。吉本隆明さんの特集を承知していて楽しみにしていたので、マンションの階段を上りながら、もどかしく封筒を破いた。ちょうど部屋に入ったところで 表紙を眺めると、彼の名前が飛び込んできた。
「石川直樹」。

 3ヶ月前の言葉を思い出した。あぁ、書くことになったんだ。

 吉本氏にちなんで、「上野物見遊山」と題した界隈に関する文や写真が、そうそうたる顔ぶれから寄せられていた。石川さんもそのひとりとして名を連ねていた。

 彼の頁は、上野の闇市封鎖前日の様子を描いた、石川淳氏作「焼き跡のイエス」という短編小説に沿いながら展開されていた。場所の移動のみならず、当時と今の上野を読者に行き来させる。淡々といざなわれ、いつしか引き込まれた。

 写真が今までと違った。よく知らないまま言ってしまうが、どこか森山大道氏を彷彿とさせるような、多くをくるみこんだ写真であるような気がした。

 最初に触れた、展覧会でわたしの出した質問とは、「なぜcoyoteに書かないのか」だった。星の航路やアラスカなど、石川さんに書いてほしいテーマを多く取り扱っていたからだ。
 確か石川淳氏は石川さんの祖父にあたる人ではなかったか。誌面ではそのことにみじんも触れていないが、それが編集長である新井氏の出した課題だったのだろうか。そんな下世話なことを考えたりした。

 いずれにせよ、また誌面で「石川直樹」の作品に出会えることを、読者として楽しみにしている。
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by yamaneko299 | 2005-12-12 01:44 | 戯言

戯言は「たわごと」と読みます。
by yamaneko299
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